【お問合せ】
低抵抗をより正確に抵抗測定をする場合に、注意する点を教えてください。
【回答】
以下の内容にについてご注意ください。
<< 配線抵抗・接触抵抗 >>
特に低抵抗を測定する場合、一般的に抵抗測定で用いられる配線(測定リード)は配線自体の抵抗と接触抵抗が測定誤差となります。配線抵抗、接触抵抗の影響を排除し正確な測定をするには,4端子測定をします。
※接触抵抗
接触面の粗さや酸化被膜、油、さび、埃などのゴミの付着によって接触面に起きる抵抗のことです。
接触抵抗は環境条件によって数Ω~数十Ωに達し、その値は安定しないことが多いためテスタなどの2端子測定では低抵抗測定が難しい原因の一つとなっています。
<< 熱起電力 >>
熱起電力とは、異種金属間の接触部分に生じる微小な電圧のことです。抵抗測定では「プローブと試料」、「プローブと計測器」の接触部分で熱起電力が発生します。また、金属の種類や環境温度によって値が異なります。I-V法※1を用いた直流抵抗計では熱起電力は測定値に影響し測定誤差となります。熱起電力の影響を排除するためにはできるだけ熱起電力の小さな金属どうしを接触させるか、簡便には抵抗計のOVC機能※2を使います。
※交流抵抗計は測定原理上熱起電力の影響を受けない測定が可能です。
※1 I-V法:電流-電圧法。電流(もしくは電圧)をかけて電圧(もしくは電流)を測定する方法。
※2 OVC機能:オフセット電圧補正機能のこと。熱起電力の影響を軽減する、対象機種の抵抗計に搭載されている機能。
<< 漏れ電流 >>
高抵抗を測定する場合には、専用のシールド付き測定ケーブルでガードしてください。こうすることによって漏れ電流はシールドを流れ、計測器内の電流検出回路を通らないので測定値に漏れ電流の影響は現れません。
<< デバイスの特性に注意 >>
磁気抵抗素子(接点・MR素子・チップインダクタ等)の測定にはデバイスの特性を損なわないよう注意が必要です。
接点・MR素子・チップインダクタを比較的大きな電流で測定すると測定対象物の特性を変化させたり、特性を損なったりすることがあります。
※影響例
接点:表面の酸化膜を破壊し抵抗値が低めに測定されます。
MR素子:大電流で破壊することがあります。
チップインダクタ:大電流で磁化することがあります。
このような測定はデリケートなのでローパワー測定機能を使って低電流で測定します。
<< 外来ノイズ >>
蛍光灯やモータなどから放射される電磁界の外来ノイズは測定値を不安定にします。
蛍光灯や商用電源ラインは測定リードと静電結合し、特に検出電流の小さい高抵抗測定で測定結果に影響します。静電結合による外来ノイズは測定リードをシールドすることで影響を軽減できます。
トランスなどから放射される磁界は測定リードと磁気結合し外来ノイズとなります。磁気結合による外来ノイズは測定リードのループをできるだけ小さくするか磁界発生源から測定リードを遠ざけることで影響を軽減できます。
<< 温度変化 >>
比較的大きな環境温度変化により計測器の表示値は揺らぎますので測定誤差になります。保証温度範囲内でご使用ください。その範囲を外れる環境下で使用される場合には、確度範囲に所定の温度係数をかけてください。
※温度係数は、製品付属の取扱説明書に記載されています。
「抵抗計 RM3544 ユーザーズガイド」
「抵抗計 RM3545 ユーザーズガイド」
「抵抗測定の手引き」
※ダウンロードには「my HIOKI」への登録とログインが必要です。
※お客様から計測に関するお問い合わせのあった内容で、他の皆様にも参考になる情報を公開しています。
※詳細につきましては取扱説明書、製品カタログ等を参照していただきますようお願い申し上げます。